高分子論文集
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ポリスチレンおよびポリメタクリル酸メチルのガラス転移挙動に及ぼす充てん材の効果
飯阪 捷義
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1975 年 32 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

ポリスチレン (PS) およびポリメタクリル酸メチル (PMMA) にガラスビーズおよびマイカフレークを充てんさせた系について, ガラス転移挙動を動的粘弾性測定により調べた. 充てん材の増加とともに, ガラス転移領域は広がり, Tgは上昇する. 充てんによるTgの上昇は, 同じ高分子のときガラスビーズよりマイカの方が, また同じ充てん材のときPSよりPMMAの方がそれぞれ大きい. 固相ガス吸着クロマトグラフィーにより充てん材界面上での相当する単量体の吸着熱を測定することにより求めた高分子-充てん材間相互作用エネルギーを, Tgの上昇と相関づけた. 高分子マトリックスが充てん材界面の影響を受ける範囲は, 数100Åの大きさとなる. Tgの上昇を, 高分子-充てん材間相互作用エネルギーおよび充てん材界面上での高分子鎖の配位の両者の効果により説明した.

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