高分子論文集
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ポリアセチレンのシス-トランス組成と固体構造
伊藤 武男白川 英樹池田 朔次
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1976 年 33 巻 6 号 p. 339-345

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抄録

任意のシス-トランス組成を有する3種類のポリアセチレンを次の方法で調製した. Type-1; Ti (OC4H9) 4-Al (C2H5) 3系触媒を用い一定のAl/Tiモル比 (Al/Ti=4) で温度を変えることにより, Type-2; 上記の触媒系を使い一定温度 (0℃) でAl/Tiモル比を1~3に変えることにより, Type-3; Type-1のシスポリアセチレンを熱処理温度と時間を変えシス-トランス異性化させることによりそれぞれ調製した. これらの重合体の固体構造をX線回折と密度測定に基づき検討した結果, Type-1はシス-トランスランダム共重合体が重合時に共結晶化したもの, Type-2は異なる活性種から生成した全シス重合体と全トランス重合体の混合物であると結論した. またType-3は固相状態におけるシスートランス異性化反応で生成したシス-トランスランダム共重合体であろうと推察した.

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