2, 3-エピチオプロピルメタクリラート (ETMA) のラジカル重合, 共重合およびイオン重合について検討を行った. ラジカル重合ではモノマー濃度が高いときには低重合率でゲル化が起こり, 生成ポリマーは不溶化したが, 3.48mol/lベンゼン中では重合率が約30%までゲル化は認められなかった. ラジカル重合ではビニル基のみが関与することが見いだされ, その活性化エネルギーは20.3kcal/molであった. ETMA (M1) とスチレン (St), メチルメタクリラート (MMA), グリシジルメタクリラート (GMA) およびメチルアクリラート (MA) との共重合におけるモノマー反応性比を求めた結果, M2がSt系でr1=0.28, r2=0.41, MMA系でr1=0.97, r2=0.83, GMA系でr1=0.78, r2=0.81およびMA系でr1=2.81, r2=0.34であった. トリエチルアミンを触媒としたアニオン重合および三フッ化ホウ素エーテル錯塩を触媒としたカチオン重合においてはエピスルフィド環が主として重合に関与するが, 二重結合の減少も認められた.