高分子論文集
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ポリハロゲン化ビニルの光化学-ポリエンの生成反応-
山本 雅英矢野 誠西島 安則
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1980 年 37 巻 4 号 p. 319-326

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抄録

ポリ塩化ビニル (PVC) と比較して, ポリ臭化ビニル (PVBr), ポリリョウ化ビニル (PVI), 臭化ビニル-塩化ビニル共重合体 [P (VBr-co-VC)], 塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体 [P (VDC-co-VC)], 臭化ビニリデン-塩化ビニル共重合体 [P (VDBr-co-VC)] の皮膜について光化学的ポリエン生成反応を研究した. PVBr, PVIは200nm, 260nmに吸収極大をもつ. PVBrおよびP (VBr-co-VC) は254nm励起により0.14の量子収率で短いポリエンを生成する. これは加熟により長いポリエンに成長する. この挙動はPVCと同様であるが, PVCに比べて容易に長いポリエンを生成する. 一軸延伸皮膜では強い二色性を示す皮膜が得られる. PVIの光励起ではI2とHIの生成を伴って短いポリエンを生成するが加熱によって長いポリエンには成長しない. P (VDC-co-VC), P (VDBr-co-VC) では短いポリエンは生成するが, -CX2- 単位がポリエンの成長を抑制するので長いポリエンは形成されない.

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© 社団法人 高分子学会
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