低密度ポリエチレン (LDPB) について, ダイス角45°での静水圧冷間押出しを行い, 押出し特性, 押出し条件が押出したLDPEの分子配向と機械的性質に及ぼす影響を検討した. 得られた主な結果は, 次のように総括される. (1) 押出しは, 初期には比較的高速であるが, やがて低速となり, 定常状態に達する. (2) 金属の静水圧押出しに関するPughとLowの式は, LDPEでは低加工比側あるいは高加工比側において適用することができる. (3) 結晶化度および微結晶サイズは, 押出しとともに分子鎖の折り畳み構造の崩壊と細分化によって低下する. (4) 結晶配向は, 結晶c軸が押出し軸に平行に配向している典型的な一軸配向である. (5) 分子配向は, 押出し軸まわりに円筒対称性の一軸配向である. (6) 引張強さとヤング率は, 押出しとともに単調に増大するが, 破壊伸びは低押出し比でいったん最大値を示し, その後, 単調に減少する.