高分子論文集
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熱硬化性樹脂上へのプラスチックめっきの接着性と耐熱性
杉原 茂雄岩沢 晃田中 啓順
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1982 年 39 巻 3 号 p. 115-120

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抄録

強固な密着力と高い耐熱性を有するプラスチックめっきを得るため, ニトリルゴムを含む熱硬化性樹脂の組成を探索し, 表面処理法を検討した. ニトリルゴムにノボラック型フェノール樹脂-固形エポキシ樹脂および酸化亜鉛を配合した樹脂は6.8kg/cmの密着力と260℃で600秒以上のはんだ耐熱性を有することを見いだした. 樹脂の粗面化法として重クロム酸カリウムを含む化学エッチング法と液体ホーニングによる機械的粗化法を比較し, 前者では理想的な粗化面が, 後者の方法でも上記の樹脂組成を用いることにより高い接着性と耐熱性を有する粗化面が得られることがわかった. 接着性に寄与する要因の主なものはニトリルゴムと熱硬化性樹脂の配合比, 相溶性, 酸化亜鉛配合量, 樹脂の膜厚および粗面化状態であり, 耐熱性に寄与する主な要因は樹脂の熱安定性, 無電解めっき触媒量および密着力である.

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