高分子論文集
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ポリ-4-ゼニルピリジン系膜の液透過による二, 三のアミン水溶液の分離
山田 純男浜谷 健生
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1982 年 39 巻 6 号 p. 407-414

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抄録

液透過法を使って, ポリ-4-ビニルピリジン (PVP) 膜によるn-ブチルアミン, ベンジルアミンとジ-n-プロピルアミンなどの水溶性アミンの液透過分離性を検討した。分離膜はアミン水溶液に対する溶解性を防ぐために放射線による橋かけと不溶解性モノマーであるスチレンとの共重合によって調製した. いずれのアミン水溶液の液分離においても水が優先的に透過し, その分離性を支配するものは分離膜と被分離液との相溶性でなく, 親核性の膜と親電子的な水との間の化学的な親和力によるものと考えられる. PVP膜の膜強度を保持する方法として行った放射線橋かけの液透過分離性に対する影響は観察されなかった。同じ目的で試みたポリ (4-ビニルピリジンースチレン) 共重合法による膜は, 液透過速度が低く, 多量のスチレン成分が存在しないと溶解が防げないという欠点があり, 好ましい方法でないことがわかった. PVP膜の水の液透過では, 5~10℃での液透過速度が高い温度域における速度より大きいという異常現象が現れた. 難水溶性のジ-n-プロピルアミン水溶液の液分離では異常に高い分離性が得られた.

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