1982 年 39 巻 6 号 p. 415-422
メタノール-エタノール無熱混合液体のポリ (γ-メチルL-グルタマート) 膜による液透過について検討を行った. 透過の測定はガスクロマトグラフィーによって行い, 主として非定常状態における透過挙動について検討した. 混合液体のタイムラグは液相中のメタノールの濃度の増加とともに小さくなる. また, メタノール及びエタノールそれぞれのタイムラグは, 液相中のメタノールの濃度の増加につれて, 両者ともに小さくなる. この挙動について, 混合液体の透過においては, 一つの成分の拡散速度は共存する他の成分の可塑化効果 (あるいは系に対する自由体積の寄与) の影響を受ける, ということで説明された.