1983 年 40 巻 7 号 p. 405-409
ポリアミノ酸の側鎖鎖長とコンホメーションの関連を調べる目的でポリ (L-リシン) のω-アミノ基にエチル基を導入した高分子量ポリ (Nε-エチル-L-リシン) (PELL) をN-カルボン酸無水物法で合成した。pH, 溶媒及び温度を変えた旋光分散と円偏光二色性 (CD) 測定の結果から, 炭化水素鎖の総数が増しているにもかかわらず, Nε-とアルキル基はα-ヘリックス構造を巻きにくくすることが認められた. PELLは50℃, 25分間加熱するとほぼ完全にβ-構造へ転移し, またアゾ色素との相互作用による誘起CDを可視部に示した. 得られた結果をポリ (L-リシン) の結果と比較検討した.