高分子論文集
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エポキシ化ポリブタジエンを原料とし第三アミン・有機酸を用いた変性による水溶性ポリマーの合成
林 修神田 和郷松本 幸男
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1986 年 43 巻 6 号 p. 369-375

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抄録

高分子量の部分エポキシ化シス-1, 4-ボリブタジエンを有機カルボン酸共存下に第3アミンと反応させて得られた水溶性の新規なポリマーの構造を解析し, エポキシ開環反応の機構を推定した. 汎用高分子量ボリブタジエンのエポキシ化はIn-situ過ギ酸法で行った. エボキシ化ポリマーを乳酸, ビリジンの共存下に加熱したところ回収したポリマーはベンゼン, クロロホルムなどの通常の有機溶剤には不溶であり, 水, アルコール類に溶解するという興味ある性質を示した. 1HNMR, 赤外吸収スペクトル, 及び13CNMRなどで変性ポリマーの構造を調べると, もとのエポキシ構造はピリジニウム塩として開環しており, 他に少量のカルボン酸エステルの型も存在していることを明らかにした. エポキシ化率, 使用する第三アミン, 酸の組み合せ, その反応条件によってビリジニウム塩構造含有率は幅広く選ぶことができる. 本変性ポリマ-の水溶液を使用して直流による電気析出を検討したところ陰極表面にポリマー析出が見られる.

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