1987 年 44 巻 9 号 p. 675-679
ヘキサメチルジシラザンによる乾式法シリカ表面処理を行い, シリカ充てんポリジメチルシロキサンの流動特性に与える表面処理の効果を検討した. 処理シリカの特性は, 改良型Sears法による表面シラノールの定量, 有機元素分析, 赤外吸収スベクトルによる表面特性, 及び, 比容積法によるストラクチャーの測定を行った. 処理シリカ3wt%充てんポリジメチルシロサンの流動特性は, 円錐円板型レオメーターによって測定した. その結果, (1) 表面処理により, シリカ表面シラノールは約10%まで減少し, 相当するトリメチルシロキシ基へ転化される. (2) この表面特性の変化に伴い, 比容積は減少する. (3) 充てん系が示す擬塑性流動における降伏値は, シリカの表面処理に従って低下する. この低下は, シリカの表面特性よりも, 比容積で示されるストラクチャー変化に依存することが明らかになった.