高分子論文集
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射出圧縮成形プラスチックレンズの精度低, 要因の有限要素法解析
丸山 照法野呂 良彦村中 昌幸高木 正雄
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1988 年 45 巻 12 号 p. 963-971

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抄録

高精度プラスチックレンズの最適成形条件と最適金型構造の探索にコンピューターシミュレーションを適用した. 有限要素法による温度熱応力歪み解析を主な手順とする解析方法により, 射出圧縮成形プラスチックレンズのひけとそりの成因を検討し以下のことを明らかにした . 成形プロセス中, 樹脂が可塑的な軟化温度域を脱し, 固化する際のレンズ成形中の温度分布がひけやそりの支配的原因である. ひけはレンズ成形品の表層と内部の温度差に起因する. そりは主に金型キャビティ面の温度差に起因するが, レンズ両面の曲率半径の違いから生じる非対称的内部温度分布の影響も受ける. また, プラスチックレンズを高糟度化するには, キャビティ表面温度を均一化しうる金型構造と成形プロセス中樹脂が軟化温度域を脱し, 固化する際にレンズ成形品の表層と内部の温度を均一化する金型冷却条件が重要であり, 温度均一化の程度に応じて高精度化できる可能性がある.

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© 社団法人 高分子学会
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