高分子論文集
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ポリジメチルシロキサン膜における水-有機液体の収着とパーペーパレーション
岡本 健一西岡 政司鶴 秀一佐々木 茂明田中 一宏喜多 英敏
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1988 年 45 巻 12 号 p. 993-999

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抄録

未添加ポリジメチルシロキサン (PDMS) 膜及びシリカ充てんPDMS膜におけるエタノール, ジオキサン, そしてピリジン水溶液の収着及びバーベーパレーション実験を行い, 濃度平均拡散係数Dを求めた. また, 非定常透過実験から拡散係数Dを求めた. PDMS膜の場合, 収着液の有機液体組成は透過液組成よりかなり高く, 各成分のDは, 供給液組成に依存せず一定であった. 10及び30wt%エタノール水溶液での水及びエタノール成分のDは, 純成分系と同じ値, 14.5及び4.5×10-6cm2/sであり, D値とほぼ一致した. シリカ充てんPDMS膜の場合, 各成分の, 特に水成分の, D及びDは, 見掛け上PDMSのそれより著しく小さく求められた. PDMS膜における有機液体選択透過性は, 有機液体の選択収着に起因しており, 拡散過程は選択性をむしろ低下させているが, その低下度合が大きな自由体積分率のためあまり大きくないことも重要な寄与をしている.

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