1988 年 45 巻 12 号 p. 985-991
γ-Fe2O3粒子の表面改質剤として, イソプロビルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート (チタネートカップリング剤) を用いて, その磁性塗膜中におけるγ-Fe2O3粒子の分散・配向・充てん性に及ぼす影響にっいて研究し, 次の結果を得た. 1) チタネートカッブリング剤のγ-Fe2O3粒子表面上における吸着挙動は. Langmuir型を示し, その占有面積は約125A2/moleculeであった. 2) γ-Fe2O3粒子をチタネートカップリング剤で表面改質することにより, ポリビニルブチラールあるいはポリ酢酸ビニルいずれのポリマーをバインダーとして用いた場合でも, 磁性塗膜中におけるγ-Fe2O3粒子の分散・配向・充てん性は飛躍的に向上した. また, 塗膜中におけるγ-Fe2O3粒子の最適含有率は, 約80wt%であった. さらに, こらの結果を, 表面改質剤であるチタネートカップリング剤及びバインダーのγ-Fe2O3粒子表面における混合吸着形態モデルから説明した.