高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
チタネート系カップリング剤の磁性粒子への吸着挙動と磁性塗膜中における粒子の分散・配向・充てん挙動
中前 勝彦平山 直人谷川 聡角谷 賢二松本 恒隆
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 45 巻 12 号 p. 985-991

詳細
抄録

γ-Fe2O3粒子の表面改質剤として, イソプロビルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート (チタネートカップリング剤) を用いて, その磁性塗膜中におけるγ-Fe2O3粒子の分散・配向・充てん性に及ぼす影響にっいて研究し, 次の結果を得た. 1) チタネートカッブリング剤のγ-Fe2O3粒子表面上における吸着挙動は. Langmuir型を示し, その占有面積は約125A2/moleculeであった. 2) γ-Fe2O3粒子をチタネートカップリング剤で表面改質することにより, ポリビニルブチラールあるいはポリ酢酸ビニルいずれのポリマーをバインダーとして用いた場合でも, 磁性塗膜中におけるγ-Fe2O3粒子の分散・配向・充てん性は飛躍的に向上した. また, 塗膜中におけるγ-Fe2O3粒子の最適含有率は, 約80wt%であった. さらに, こらの結果を, 表面改質剤であるチタネートカップリング剤及びバインダーのγ-Fe2O3粒子表面における混合吸着形態モデルから説明した.

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top