2, 2-Bis [4- (3-methacryloxy-2-hydroxypropoxyl) phenyl] propane (Bis-GMA) とtriethylene glycol dimethacrylatc (Tri-EDMA) の共重合物をマトリックスとし, これに6チタン酸カリウム (K2O・6TiO2), または窒化珪素 (Si3N4) ウィスカーを混合した歯科用複合高分子材料の弾性率を曲げ試験で測定した. ウィスカーの大きさの分布は電子顕微鏡より求めた. 複合系の弾性率は, ウィスカーの体積分率φの増加とともに増加する. またこれらの実験結果は, Burgersの棒状剛体粒子分散系の粘性率に関する理論式と同型の弾性率理論式の結果と良く一致する. 6チタン酸カリウムウィスカーはγ-glycidoxy propyl trimethoxysilane, 窒化珪素ウィスカーはγ-methacryloxy propyl trimethoxysilaneで表面処理したが, その表面処理による補強効果は実験誤差以内である.