高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
ウィスカー複合歯科用高分子材料の弾性率
中島 信哉山崎 升栗田 公夫和田 英一
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 45 巻 5 号 p. 423-426

詳細
抄録

2, 2-Bis [4- (3-methacryloxy-2-hydroxypropoxyl) phenyl] propane (Bis-GMA) とtriethylene glycol dimethacrylatc (Tri-EDMA) の共重合物をマトリックスとし, これに6チタン酸カリウム (K2O・6TiO2), または窒化珪素 (Si3N4) ウィスカーを混合した歯科用複合高分子材料の弾性率を曲げ試験で測定した. ウィスカーの大きさの分布は電子顕微鏡より求めた. 複合系の弾性率は, ウィスカーの体積分率φの増加とともに増加する. またこれらの実験結果は, Burgersの棒状剛体粒子分散系の粘性率に関する理論式と同型の弾性率理論式の結果と良く一致する. 6チタン酸カリウムウィスカーはγ-glycidoxy propyl trimethoxysilane, 窒化珪素ウィスカーはγ-methacryloxy propyl trimethoxysilaneで表面処理したが, その表面処理による補強効果は実験誤差以内である.

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top