高分子論文集
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ポリ (N-アルキル-2-ビニルピリジウム塩) によるカオリン分散系の凝集沈殿・再分散
芹田 元妹尾 学岩元 和敏村井 幸一
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1988 年 45 巻 6 号 p. 457-462

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抄録

ポリ (N-アルキル-2-ビニルビリジウム塩) をポリ (2-ビニルビリジン) と種々の臭化アルキルとの反応により合成し, 得られた高分子電解質によるカオリンの凝集作用を (i) 主に吸着熱の測定, (ii) カオリン粒子への高分子電解質の吸着に関連して検討を行った. 得られた結果は次のとおりである. 1) 吸着熱は発熱的であった. 2) 吸着量 (吸着の飽和値) 及び吸着熱のいずれも温度が高くなれば大きくなった. 3) 0.5gのカオリンを凝集するに要する高分子電解質の最適濃度は, pH2~10の範囲で10~20ppmであり, pH2以下でも, pH10以上でも分散した. 4) 四級化率の値が25~53%の範囲内で, 吸着量と四級化率の間に相関性は認められなかった. 5) 以上の結果は, 高分子電解質がループ, トレイン・テイル形態で吸着していると考えることにより説明できた.

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