酸無水物硬化エポキシ樹脂に種々の可撓化剤を添加したときの動的粘弾性挙動から, 可撓化剤の作用効果及び作用機構の検討を行った. その結果, ゴム微粒子分散型の可撓化剤の場合, マトリックスのガラス状態であってもゴム状の微粒子により系全体の弾性率が低下し, かつマトリックスと相溶しないためガラス転移温度の低下も少ないことが分かった. これに比較し, 相溶型可撓化剤の場合, 低温領域に新たな分散が現れるか, α分散が低温領域に広がった場合にのみ多少ガラス領域での弾性率が低下し, 同時にガラス転移点が大幅に低下する. ガラス転移点を低下させずにガラス状態の弾性率を下げたい場合には, ゴム状徽粒子分散型の可撓化剤が適している.