高分子論文集
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ウィスカー複合歯科用高分子材料の機械的強度
中島 信哉山崎 升栗田 公夫和田 英一
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1988 年 45 巻 6 号 p. 481-484

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抄録

歯科用修復材に対するウィスカーの複合効果を検討するために, 2, 2-bis [4- (3-methacryloxy-2-hydroxypropOKyl) phenyl] propaneとtriethylene glycol dimethacrylateの共重合物に, チタン酸カリウム (K2O・6TiO2またはK2O・6TiO2・1/2H2O) または窒化ケイ素 (Si3N4) ウィスカーを複合した試料を作り, その圧縮, 引張り, 及び曲げ試験による比例限界値及び破壊強度を調べた. またメタクリル系 (γ-MPS). アミノ系 (γ-APS), 及びエポキシ系カップリング剤 (γ-GPS) によるウィスカーの表面処理効果を併せて検討した. その結果, ウィスカーの種類及びγ-MPS処理に関係なく, 平均軸比が大きくなるほど比例限界値が大きくなることがわかった. またγ-MPSで処理すると比例限界値, 破壊強度の体積分率φに対する増加の割合が大きくなる. K2O・6TiO3ウィスカーについてのγ-APS, またはγ-GPSによる表面処理効果は実験誤差の範囲内であった.

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