高分子論文集
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プラズマ重合膜の気体透過特性に及ぼす重合条件の影響
坂田 二郎山本 豊平井 正名
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1988 年 45 巻 6 号 p. 499-503

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抄録

複合膜の気体透過特性に及ぼすプラズマ重合条件の影響を把握するため, モノマーとしてヘキサメチルジシロキサン (M2) 及びオクタメチルシクロテトラシロキサン (D4) を用い, 重合位置, モノマー圧力, ラジオ波入力, 重合時間を変化させ, プラズマ重合膜を多孔質膜上に形成した. 重合条件とプラズマ重合膜の堆積速度及び複合膜の酸素-窒素透過特性との関係を調べた. 重合位置が電極に近いほど分離性を発現するのに必要な重合時間が短くて済むことが分かった. M2の重合速度は, 入力/圧力値の増大とともに増加した. D4にはその関係はみられず, 圧力が高い時には入力が律速であるものの, 低圧時には入力に無関係でありモノマー供給が律速となることが示唆された. 過剰なエネルギーが供給される条件では重合膜の堆積速度及び膜の分離性の低下がみられた. 重合速度の大きい条件で作製した膜は分離性が高いことが分かった.

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