1988 年 45 巻 6 号 p. 505-510
ポリプロピレン (PP) の弾性率の向上と耐衝撃性能付与のため熱可塑性エラストマー (TPE) をブレンドしたPPにモノアルキルリン酸エステルで表面改質した炭酸カルシウム (CaCO3) を配合した. 配合試料の衝撃性能とTPEの種類, 配合量, 改質剤のアルキル鎖長との関係について検討した. 本実験で用いたTPEの中では, スチレンブタジエンブロック共重合体 (SBS) がPP系材料の耐衝撃性に対して最も優れていた. PP/SBS配合試料の衝撃強度には, 改質剤のアルキル鎖長依存性が認められた. SBSを2.5~5wt%ブレンドしたPPへの表面改質CaCO3の併用使用は, 配合試料の弾性率の低下を抑制するだけでなく耐衝撃性能をベースレジンに比べて大幅に向上させた.