1989 年 46 巻 6 号 p. 341-345
分子量の異なる2種類の部分スルホン化ポリスチレンを合成して, これらポリマーのγ-Fe2O3粒子表面での吸着における分子量依存性について検討し, 次の結果を得た. (1) 部分スルホン化ポリスチレンのγ-Fe2O3粒子表面での吸着は, いずれの分子量においてもLangmuir型を示した. (2) 吸着等温線から得られた飽和吸着量は, 分子量の違いによってほとんど変化しなかった. (3) 分子量の異なる2成分の混合吸着は, 吸着初期において低分子量成分が優先吸着し, その後, 先に吸着した低分子量成分は全く脱着せず, 高分子量成分との置き換えは起こらなかった. これらの挙動を高分子鎖中のスルホン酸基とγ-Fe2O3粒子表面との相互作用から評価した.