1989 年 46 巻 6 号 p. 375-380
酸素が特異的かつ可逆的に結合するコバルトポルフィリン錯体を, ポリ (アルキルメタクリレート-co-ヒニルイミダゾール) に配位固定し, 膜を作製した. 側鎖アルキル鎖長に伴いTgは低下, 膜への酸素溶解度係数が増加した. それを反映して, 分光学的測定から得られた錯体への見掛けの酸素結合平衡定数は増大した. 見掛けの酸素結合解離速度定数も, Tg低下に伴い増加した. 低真空法透過測定から求めた各膜の酸素透過係数及び遅れ時間は, 低供給圧側で増大したので, これを二元輸送モデルで解析した. 酸素透過係数はアルキル鎖長とともに増加した. これは主として酸素拡散性の増大の寄与による.