高分子論文集
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レゾール型フェノール樹脂によるエポキシ樹脂の改質
石井 利昭江口 州次尾形 正次北村 輝夫鈴木 宏
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1992 年 49 巻 8 号 p. 671-676

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抄録
エポキシ樹脂の耐熱性を向上させる目的で, 硬化剤としてレゾール型フェノール樹脂 (RE) を用いたエポキシ樹脂系の硬化反応及び硬化物の物性に及ぼす触媒の影響を検討した. その結果, 硬化反応では, エポキシ基とフェノール性水酸基との反応とREの自己縮合反応が競争的に進行することが分かった. 触媒として1,8-ジアサビシクロ (5, 4, 0) -ウンデセン-7 (DBU) を用いた場合にはエポキシ基とフェノール性水酸基との反応が主に進行し, テトラフェニルボスホニウムテトラフェニルポレート (TPP-TPB) を用いた場合にはエポキシ基の反応とREの自己縮合反応が同時に進行する. 硬化物の物性では, ノポラック型フェノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂系に比べREを硬化剤として用いた系はガラス転移温度, 高温での強度, 弾性率が上昇し, TPP-TPBはDBUに比べこれら物性値を上昇させる効果が大きいことが分かった.
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© 社団法人 高分子学会
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