情報の科学と技術
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人文社会系研究者の生態と研究上の倫理(<特集>:科学情報の倫理)
山本 順一
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2001 年 51 巻 12 号 p. 624-629

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抄録
これまで剽窃や盗作, 盗用を除き, この国の人文社会系の学界では, 不正行為や研究上の反倫理的行為というものは問題とされてこなかった。しかし, このことは日本の文科系学界がクリーンであったことを示しているわけではない。理工系の研究があたらしいものの発明, 追試可能なあらたな事実, 法則の発見を目標としているのに対し, 文科系の研究は対象とする社会状況こそ異なるものの, 人間と社会, 社会現象を相手とすることに変わるところはない。.多くの先賢の見解を引用し, 異なった文化的背景をもつ外国の研究成果を取り入れながら, 研究上の独創性を担保せざるを得ない。そこには, 研究上の不正行為と反倫理的行為と紙一重の部分がうかがえなくもない。
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