抄録
分子鎖が架橋点を介して三次元的に架橋されたポリマーネットワークでは, 架橋の存在による分子鎖運動の束縛やトポロジー的な要因により, リニアポリマーに比べて結晶化速度及び結晶化度が大幅に低下することが報告されている (文献1~5参照). 我々は架橋点間の分子量の異なる末端架橋型のポリテトラヒドロフラン (PTHF) ネットワークの等温結晶化挙動を熱機械分析 (TMA) 小角光散乱 (SALS) などを用いて追跡した. これらの結晶化速度は結晶化温度に対して顕著な依存性を示し, 結晶化温度の低下に伴って速くなる. また, 等しい結晶化温度では架橋密度が低いほど結晶化速度が速く, 架橋による分子鎖運動の束縛の影響が顕著に現れる.