2022 年 58 巻 2 号 p. 178-182
中心静脈カテーテル留置の合併症に抜去困難がある.我々は栄養管理目的に15歳でカテーテルの最終入れかえを行い23歳時にカテーテルが抜去困難となり左内頸静脈から上大静脈にかけて遺残した症例を経験した.最終カテーテルの留置期間は14年8か月だった.感染を契機に呼吸状態が悪化し,同時に消化管出血に伴う腎前性腎不全が進行し30歳で死亡した.病理解剖で,カテーテル周囲は瘢痕組織で取り巻かれ,その瘢痕組織内に異物が散在していた.また末梢肺動脈内に線維性の狭窄ないし閉塞を認め,カテーテルの断片と思われる異物が認められた.年数が経つにつれカテーテルの一部が自然に剥離し異物として飛散する可能性が示唆された.遺残したカテーテルは,将来血管内に飛散する異物になり得ることを認識し,長期間の生命予後が見込める症例では,開心術を含めたカテーテル摘出を検討することが必要と考えられた.