53 巻 (1996) 2 号 p. 133-141
ベース樹脂, 溶解抑制剤, および酸発生剤からなる化学増幅系3成分ポジ型レジストにおいて, 溶解抑制剤に着目し, レジスト未露光部の溶解速度の低下を図った. 同一示性式の溶解抑制剤 (ジヒドロキシベンゼンの-OH基をtert-ブトキシカルボニル (tBOC) 基で保護した化合物) において融点を変化させ, レジストの溶解速度とそれらの関係について検討した. 溶解抑制剤の融点の上昇とともに, 未露光部の溶解速度は低下する傾向にあった. これらの原因をIR, TGAで調べた結果, 低融点の溶解抑制剤を添加した系は, プリベーク時に溶解抑制基 (tBOC) の大部分が熱分解しOH基に変化し溶解促進基になっていることが判明した. 低融点の溶解抑制剤を添加することにより膜の柔軟性が増加し, ベーク時に, 溶解抑制剤と残存フェノール (溶解抑制基の分解作用あり) との接触が促進されるため, 膜の溶解速度が高くなったと考えられる.