高分子論文集
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合成ゴムのウェザリングの新しい分析手法の提案と屋外暴露スチレン-ブタジエンゴム試料への適用
西本 右子永田 浩之永井 靖隆大石 不二夫
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1997 年 54 巻 3 号 p. 119-124

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抄録

代表的な加硫ゴムであるstyrene-butadiene rubber (SBR) の明色配合試料をモデル試料としてとりあげ, 新しいウェザリング解析の手法を検討する目的で, いくつかの分析手法の適用を試みた. その結果, 表面・界面物性解析装置による深さ方向の「比切削抵抗」による評価法が加硫ゴムの劣化解析法として適用可能であること, また圧縮方向の振動荷重によるTMA測定は, 引張り方式やねじり方式での粘弾性の測定が困難な, 劣化の進行した試料に有効であること, さらに表面の変色が少ない試料では, 第1種相関PAS法によっても劣化解析が行えることがわかった. 暴露条件の影響に関しては, 1年以上の宮古島暴露試料では, 0.5年までの宮古島暴露試料や銚子暴露試料と異なり, 暴露により表面部分に生成した酸化層により, 内部への劣化の進行が抑制されていることが示唆された.

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