高分子論文集
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熱可塑性塗料用非水分散ポリマーの合成およびその性質
大村 博
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1997 年 54 巻 3 号 p. 125-131

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抄録

ポリメリックペルオキシドを用い, 脂肪族炭化水素系溶剤に溶解分散するブロックポリマータイプの非水分散ポリマーを合成した. 常温で造膜する熱可塑性塗料への応用を考慮し, 不溶ポリマー組成の異なる非水分散ポリマーを合成し, 得られた非水分散液 (NAD) の粘度, 分散安定性, およびポリマーの分子量, 粒径を測定した. さらに造膜したNADフィルムの光学特性や表面平滑性がポリマー組成によりどう違うか検討した. その結果, 不溶ポリマーの溶解度パラメーター (SP), ガラス転移点 (Tg), 屈折率がこれらの性質に大きな影響を及ぼすことがわかり, 低粘度で分散安定性が良く, かつ常温で造膜性のよいNADを合成することが可能となった. また動的粘弾性測定により, NADフィルムは可溶ポリマー部分と不溶ポリマー部分からなるブロックポリマータイプのミクロ相分離構造を有するポリマーであると推察された.

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