ポリメリックペルオキシドを用い, 脂肪族炭化水素系溶剤に溶解分散するブロックポリマータイプの非水分散ポリマーを合成した. 常温で造膜する熱可塑性塗料への応用を考慮し, 不溶ポリマー組成の異なる非水分散ポリマーを合成し, 得られた非水分散液 (NAD) の粘度, 分散安定性, およびポリマーの分子量, 粒径を測定した. さらに造膜したNADフィルムの光学特性や表面平滑性がポリマー組成によりどう違うか検討した. その結果, 不溶ポリマーの溶解度パラメーター (SP), ガラス転移点 (Tg), 屈折率がこれらの性質に大きな影響を及ぼすことがわかり, 低粘度で分散安定性が良く, かつ常温で造膜性のよいNADを合成することが可能となった. また動的粘弾性測定により, NADフィルムは可溶ポリマー部分と不溶ポリマー部分からなるブロックポリマータイプのミクロ相分離構造を有するポリマーであると推察された.