磁性酸化鉄微粒子とゼラチンの水系混合液について, 磁性酸化鉄微粒子へのゼラチンの吸着量の測定を37℃で行った. 混合液のpHを4.0~7.0で変化させたところ, 吸着量はpH5.0のときに最も多くなった. 混合液に塩化ナトリウム水溶液を添加して, ゼラチンの吸着量を測定した. pH4.0では, 塩化ナトリウム濃度にかかわらず, 吸着量は一定となった. pH5.0および6.0では, 塩化ナトリウム濃度が増加すると吸着量は減少した. pH7.0では, 塩化ナトリウム濃度が0.01mol/dm3までは塩化ナトリウム濃度が増加すると吸着量は増加し, 0.01mol/dm3以上では吸着量は減少した. pH5.0の混合液を超遠心分離して得られた上澄み液についてゲル浸透クロマトグラフィーによる分析を行った. その結果, 混合液のゼラチンの初期濃度が高いと, 磁性酸化鉄微粒子に吸着したゼラチンの平均分子量は大きくなった.