高分子論文集
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スチレンーアクリロニトリル共重合体/テトラブロモビスフェノールA-エポキシ系難燃剤ブレンドの相溶性と物性
小山 裕司林 紀夫青木 雄二
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1997 年 54 巻 7 号 p. 440-444

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抄録

種々のアクリロニトリル含量 (AN%) のスチレン-アクリロニトリル共重合体 (SAN) とテトラブロモビスフェノールA-エポキシ (TBA-EPと略す) 系の難燃剤とのブレンドの相溶性, 機械的性質, 熱的性質及び流動特性を調べた. 低分子量のTBA-EP (分子量が約1300) はAN%が20-30wt%のSANと相溶する. これらのブレンドはTBA-EPの増加とともに耐熱性が低下し流動性が向上するという典型的な可塑化効果を示す系である. TBA-EPの分子量が10000-20000の場合, いずれのAN%のSANとも非相溶となり, TBA-EPを数%ブレンドすることにより機械的性質は著しく低下する. TBA-EPの分子量が50000以上になると, 非相溶系にもかかわらず, 機械的性質は低下しない. TBA-EP自身の機械的性質がSANと同等のためと考えられる. 難燃性スチレン系樹脂の開発において, 樹脂の組成や難燃剤の分子量が重要な因子であることがわかった.

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© 社団法人 高分子学会
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