高分子論文集
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マクロモノマーのアニオンリビング重合における開始剤効率
瀬 和則鈴木 正明
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2000 年 57 巻 12 号 p. 851-854

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抄録

(p-イソプロペニルフェネチル) ポリ (α-メチルスチレン) マクロモノマー (PMSM) を高真空下, -78℃において, n-ブチルリチウム (n-BuLi) n-BuLiを開始剤に用いて, アニオンリビング重合して, PMSMを腕鎖とする (PMSM) N星型高分子を合成した. 条件が異なる8種類の重合において, 開始剤効率 (fI) は0.02から0.70の範囲に分布した. fIが0.37以上の場合, 開始剤の一部は重合容器内のガラス表面に付着している不純物 (IimG=55×10-5mol) とPMSMに含まれている不純物 (IimPMSM=5.4×10-5mol・g-1) によって失活したことがわかった. fIが0.10下の場合, 開始剤の大部分は失活したと思われる. IimGIimPMSMの値を考慮すれば, マクロモノマーを用いた分子設計が可能であることがわかった.

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