高分子論文集
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バナジウムトリス (2-メチル-1,3-ブタンジオナート) /ジエチルアルミニウムクロリド触媒系によるプロピレンのリビング重合における官能基導入反応
今西 邦彦植木 聡
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2005 年 62 巻 2 号 p. 69-74

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抄録

可溶性バナジウム錯体V (mbd) 3/ジエチルアルミニウムクロリド系触媒によって, プロピレンのリビング重合が進行する. このリビング重合中に種々の極性モノマーを添加すると, これらのモノマーがポリプロピレンの末端に導入され, 官能基を有するポリプロピレンを合成することができる. この極性モノマーにおいて, 速度論的検討を行い, エチレングリコールジメタクリレート (EGMA), グリシジルメタクリレート (GMA), スチレン (St), ジビニルベンゼン (DVB) に関して, 導入反応の速度を決定する定数が求められた. この定数から, 導入量を確実に制御するための反応条件が得られた. さらに, メカニズムの推定を行い, 導入反応において, メタクリル酸誘導体やスチレン誘導体などのモノマーの種類によらず, 導入反応のメカニズムは同様であることが明らかとなった. その導入反応において, 第1ステップではモノマーがV重合活性点に配位し, 第2ステップで, 配位したモノマーがポリマー末端に結合していくものである.

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