2014 年 32 巻 p. 27-35
要 旨 本研究は、近年の災害対策に大きな影響を与えた1995年の阪神淡路大震災後の高齢者支援対策と、そこから始まった地域包括支援センターおよび地域拠点ルームの見守り活動による地域ネットワークづくりが、今日どのように介護予防と減災の両方に役立つかを明らかにしていくことを目的とする。ここでは、被災地A市における高齢者見守り支援事業が被災者支援から日常的な高齢者支援へとつながっていく経緯を整理したうえで、ルームの活動実態を検証し、課題の分析を試みた。その結果、ルームと見守り推進員の活動が防災と介護予防のコミュニティづくりに一定の役割を果たしていることが明らかになった。