2015 年 58 巻 p. 129-136
本稿は,2005年に行われたUSエアとアメリカウエスト航空の合併に焦点を当て、合併企業および路線で対峙するライバル企業の合併による運賃設定行動の変化について分析を行ったものである。分析は、2003年から2010年の各第4四半期のデータを用いた需要関数と価格関数の同時方程式推定により行われている。分析の結果、多くの路線で合併以降、USエアおよびFSCが運賃を上昇させる傾向にあることを示した。またサウスウエスト航空がLCCと異なる運賃設定行動をとっている可能性を示した。