交通学研究
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人口減少時代におけるアクセシビリティの改善と人口移動-空間経済学の視点から-
亀山 嘉大
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2019 年 62 巻 p. 101-108

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抄録

本稿では、人口増加時代の2005/06年と人口減少時代の2015/16年の都道府県間の人口移動を分析対象として、社会増加・都道府県(社会増加圏)と社会減少・都道府県(社会減少圏)を区別した上で、空間経済学の視点から、アクセシビリティの改善(輸送費の低減)、集積効果、政策効果が人口移動にどのような影響を与えているのかを分析した。推定結果から、社会減少圏からの人口移動は、サービス業の経済規模Scale、集積効果MPから正、移動費tcと移動時間ttから負の影響を受けており、一方、社会増加圏からの人口移動は、サービス業の経済規模Scaleから正、移動費tcと移動時間ttから負の影響を受けていることが示された。tcとttの比較から、移動時間の短縮の点で、アクセシビリティの改善に課題があることが示唆された。

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© 2019 日本交通学会
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