交通学研究
Online ISSN : 2434-6179
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能に登場する文化財のアクセシビリティに関する研究
辻本 勝久
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2022 年 65 巻 p. 99-106

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抄録

能に関連する文化財は、伝統文化的な価値に加え、観光資源としての価値も有する。そこで本研究では、紀伊半島を対象に、能の現行全曲に登場する文化財のアクセシビリティの現況について分析し、改善方策を検討した。その際、5つの観点から31の項目と基準を設定し、主に現地調査によってデータを収集した。その結果、1)最寄駅の段差解消率ほか9項目で整備率が3割以下であること、2)紀北、熊野、五條・吉野、伊勢志摩の地域別にみると、18箇所の能関連文化財を有する五條・吉野が複数の項目で最下位であることなどが明らかとなり、そのような状況に至った背景を分析の上、改善方策を提示した。

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© 2022 日本交通学会
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