主催: 西部造船会
共催: 関西造船協会, 日本造船学会
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実海域を航行する船舶の推進性能は汚損や気象海象など各種要因で変動悪化する. したがって船舶の推進性能の現在状態をリアルタイムで把握できれば, 燃料削減など適切な運行管理のために有用情報になると期待される. 現在アブログデータを利用した就航中船舶の推進性能分析は船会社などで盛んに行われている. しかし性能に関係する計測データは, 船速, 燃料消費量, 及びすべての船ではないが軸トルクに限られているから, 結局すべての要因かつ合成された燃料消費の変化しか把握できないのが現実である. したがって, 推進性能の悪化が主に汚損によるという前提の上で, 船体抵抗とプロペラ性能の変化個別に把握することができれば, 運行管理上有用な情報となるだろう. 本研究は, 汚損プロペラの性能解析を利用して, 船体抵抗とプロペラ性能を個別に把握する手法を研究する. それに基づいて, 実海域航行中の船舶の汚損などによる表面粗度変化による単独プロペラ性能変化を推定して, 航行中船舶の推進性能をリアルタイムで把握できるモニタリング·システムを開発しようというものである。