抄録
船舶の低振動化をはかるためには,設計段階における振動応答予測精度の向上が重要となっている.流体の圧縮性が船体上下振動に及ぼす影響について調べるため,半円柱および船体中央断面を有する無限柱状体が正弦波状モードで上下振動をする際の付加水質量係数と減衰比を振動数の関数として表現した.その結果,振動数の上昇に伴い周辺流体の同調に近づくことにより付加水質量係数が増加することが判明した.VLCCや,ばら積み運搬船の高次節振動に対し,流体圧縮性の影響を検討した結果、非圧縮性流体による付加水質量係数の5%程度の増加が生じ得ることが判明した.