関西造船協会講演概要集
平成15年度関西造船協会春季講演会
選択された号の論文の28件中1~28を表示しています
  • (越流堰からの水脈により海水中に発生する気泡の量と気泡径分布)
    久郷 信俊, 吉田 昭仁, 黒田 真生, 石田 憲治, 西川 栄一
    p. 000001
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    プロセスプラントなどの冷却海水排水用水槽に設置される越流堰の堰落し部において、海水中への空気巻込みにより大量の気泡が発生するケースがある。こうした気泡は、海域の環境保全を考慮し、プラント設計でその低減が要求されることが多い。海水中の気泡の対処方法の一つに気液分離槽の設置があり、その設計上、海水中の気泡量や気泡径分布などを把握することが重要となるものの、こうしたデータを定量的に調査した例がほとんどないことから、越流堰からの水脈により海水および清水中に発生する気泡について堰下流への移動量と気泡径分布の計測を行った。その結果として、海水において水脈により発生する気泡は清水中のものに比べ気泡径が小さなものが多くなるとともに、その存在範囲が堰下流に拡大することなどについての知見を報告する。
  • 原 正一, 大松 重雄, 山川 賢次, 星野 邦弘, 湯川 和浩, 鳥海 誠
    p. 000002
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    地震、津波などによる大規模災害が発生した場合、メガフロートを災害対応のための防災拠点とする構想が考えられる。この際、被災現場にメガフロートを安全かつ迅速に曳航することが必要となる。長さ400mまでの浮体寸法の構造物(浮体ユニット)を対象にして、その安全な曳航に密接な関連をもつ浮体剛性を変化させて主に波浪中の曲げモーメント、弾性変位、抵抗増加、索張力について計算を行った。その結果をもとに、浮体ユニットを安全に曳航できる曳船の必要馬力および曳航限界波浪条件を提示し、さらに日本近海における曳航出動確率を求めた。
  • 航走時の船尾端没水量の影響についての一考察
    山野 惟夫, 楠 芳一, 鞍谷 文保, 小川 武範, 池渕 哲朗, 舩野 功
    p. 000003
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    典型的な3つのトランサム船尾船底形状についての模型試験の結果を前報(論文集第239号に掲載予定)に報告した。その中で,航走時の船尾端没水量Irが船尾造波抵抗の発生に低速域で重要な役割を果たす事を明らかにした。しかしながら,そのIrの船尾造波抵抗への影響の詳細は明らかではない。  そこで,本論文では,そのIrの影響の詳細を明らかにすることを目的として,Irの影響を推定する方法を先ず開発し,つぎに,上記の模型試験の結果をその方法により解析した。  その結果,低速域では,Irは船尾端直後の前方への波崩れに影響を及ぼして船尾造波抵抗を左右するのみならず,Irの減少が船尾端での流速を加速すること自体が船尾造波抵抗に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。
  • 遠山 泰美, 明石 委子, 南元 康文
    p. 000004
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    船舶の低振動化をはかるためには,設計段階における振動応答予測精度の向上が重要となっている.流体の圧縮性が船体上下振動に及ぼす影響について調べるため,半円柱および船体中央断面を有する無限柱状体が正弦波状モードで上下振動をする際の付加水質量係数と減衰比を振動数の関数として表現した.その結果,振動数の上昇に伴い周辺流体の同調に近づくことにより付加水質量係数が増加することが判明した.VLCCや,ばら積み運搬船の高次節振動に対し,流体圧縮性の影響を検討した結果、非圧縮性流体による付加水質量係数の5%程度の増加が生じ得ることが判明した.
  • 山崎 啓市, 松本 光一郎, 高岸 憲璽
    p. 000005
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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     近年、船舶の実海域性能向上およびその評価の重要性が指摘されている。著者らは、水線面上の船首形状を前方に尖らせ、波浪中の抵抗増加を低減させた船首形状“Ax-Bow”の開発を実施し実用化した。今回は低速肥大船を対象に、水線面上だけでなく、船首の上端から船首バルブ端までをすべて前端まで尖らせた船首形状を考案し、従来の船首形状および”Ax-Bow”形状と、平水中性能および波浪中性能の比較を模型試験により実施した。 その結果、今回の新しい新船首形状と従来船首およびAx-Bowでは、平水中性能は変わらず波浪中性能は向上する(波浪中抵抗増加は低減する)ことを確認した。
  • 沿海観光クルーズ船について
    島本 幸次郎, 渡辺 昌彦, 小椋 裕也
    p. 000006
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    現在、一般の船舶の推進システムは1機または2機の主機関でプロペラを回転させて船の推進力を得ている。著者らはこれに代えて、小型ディーゼル機関で駆動される約800kwの発電機が組み込まれた、20フィートコンテナサイズのPackged Generator Unit(PGUと称す)を提唱してきた。新しいシステムは、このPGUを数多く搭載し、船の推進動力と同時に船内のサービス電力を同時に賄う。PGUは複数機備えるので冗長系を有し、船の推進システムとしては高信頼性を得る。一方、PGUの定期解放や故障時の保守はすべて陸上で行うことにより、船内では完全にメンテナンスフリーとなり、機関室の無人化を目指すことができる。本論文では上記のコンセプトを沿海クルーズ船に適用して設計検討した。
  • 榧野 純, 大津 皓平
    p. 000007
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    著者の一人は、連続型の操縦運動モデルを用いて、Brysonn-Hoの提案したTVLQ最適制御側により種々の最適制御問題を扱ってきた。ところで連続型モデルは、モデルのパラメータ推定が困難であり、あらかじめ水槽実験などでパラメータを求めていなければならない欠点がある。これに引き換え、離散型モデルはパラメータ推定が容易であり、逐次型にすることにより適応型も可能である。そこで本研究では、離散型操縦運動モデルによる最適制御を船舶の操縦に行う方法を検討する。ここで取り扱う操船法は、減速しつつ着桟地点にアプローチしていくアプローチ操船、及び船首方位を桟橋に平行に保ちつつ着桟地点で停止するバーシング操船である。そして得られた制御側の有効性の検証のため実船実験を行い、その結果を検討する。
  • 渦減衰を考慮した場合
    湯室 彰規
    p. 000008
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    本報告では、2船が相対位置を一定に保ちながら、同一速度で平行航走する定常状態を考え、このときの操縦流体力に対する干渉影響の問題を取り扱う。さきに船体の束縛渦と吹出しで置き換え、船形的取扱いに基づいた簡易な実用計算法を示している。ただし、特に前方船体が斜航角をもつ場合は、後方船体の干渉流体力において実験と計算で比較的大きな差が現われるという問題点が残されていた。
     ここでは、船体から流出する自由渦の時間経過に対する減衰効果を考慮することにより、本計算法の精度がどの程度改善されるかの検討結果について述べる。
  • 数値シミュレーションによるレーダー信号の作成と解析
    小嶋 貞二, 山田 智貴, 細田 龍介
    p. 000009
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
     マリンレーダー受信信号の解析によって海洋波の波長・波向特性を得ることが可能であることは周知である。しかし、海洋波浪モニターシステムとして完成したとは言えないのが現状である。本研究は従来の諸解析手法に内存する問題点を解決し、最も適した解析手法を開発し次いで波浪モニターシステムを提案することを目的としている。本報ではレーダー方程式を用いたレーダー受信信号の作成を実際のレーダーに組込まれている補正機能等を考慮して行い、既存の解析手法および新しく提案する解析手法によって解析して問題点の抽出、解析手法を検討する。
  • 解剖学的知見に基づく表情の解析・評価
    池田 和外, 有馬 正和, 細田 龍介
    p. 000010
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    船舶を初めとする乗り物の設計・製造・運用において、乗客の快適性の評価は極めて難しいことは良く知られている。そこで、快適性の評価として、人の表情に着目し、生理的・心理的反応の評価指標として表情を解析することが望まれる。本論文においては、人の顔構成要素(眉・目・口)の動きに対し解剖学的な知識を導入し、表情の変化に顔面筋肉の影響を加味して人の表情の解析を実施し、心理状態と表情の関連性を評価したので報告する。
  • 松本 光一郎, 田中 良和, 廣田 和義, 宇佐美 俊, 高岸 憲璽
    p. 000011
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    実海域を航行する船舶に働く風圧力の低減方法を開発し、実船に適用した。既に橋梁の脚塔等に採用されている隅切り方法を船舶の居住区前面および船体ガンネル部分に適用しその効果を確認した。肥大船の居住区に適用した場合、風洞試験結果によると、居住区単体で約20%、船体全体で約10%の(正面)風圧力低減効果が確認された。また、自動車運搬船の船体に適用した例では、風洞試験による確認の結果、約20%の(側面)風圧力の低減効果が認められた。これらの技術を採用した場合の、風圧下における船速低下の低減効果および横流れ減少効果について推定、評価した。
  • 高橋 孝仁, 児玉 良明, 牧野 雅彦, 角川 明, 川島 英幹
    p. 000012
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    マイクロバブルは,顕著な低減効果を示す摩擦抵抗低減デバイスとして知られている.摩擦抵抗低減メカニズムは複雑で未解明であるが,概ね壁近傍のボイド率を高めるほど摩擦抵抗が低減することは確認されている.マイクロバブル実験では,摩擦力計測とボイド率計測に誤差評価が不確かで,また管路実験において空気注入による全流量増加に対して大幅な補正を必要とするなど問題がある.本研究では,これまでの実験結果について,計測結果の検証と補正方法の見直し,データの誤差評価を行った上で,壁近傍ボイド率と摩擦抵抗低減効果の定量的な関係を見直した.また,多孔質板あるいは配列多孔板について気泡生成方法の相違による影響を調べた.さらに,海水影響を調べるため,海水中と真水中で摩擦抵抗低減率および気泡状態の相違について詳しく調べた.
  • 青木 一紀, 野本 謙作, 梅田 直哉
    p. 000013
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
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    近年,いくつかの外洋ヨットレースにてレースに参加していたヨットが荒天中に転覆し,多数の犠牲者が出る事故が発生しており,これらの事例から,ヨットの船型の傾向が安全性・耐航性の性能について矛盾してきているのではないかという点が指摘されている。
    本研究では,このような指摘を解明するために,1940年代以降の500隻以上のヨットの船型データを集めて,セーリングヨットの船型を表す主要目の変遷を様々な角度から調べることを行った。
    集められたデータは,全長や排水量、セール面積などで,このような簡単な数値からのみヨットの安全性について評価を下すのは短絡的であるとは言え,ヨット設計の長期的傾向として安全性重視から速力重視への変遷の傾向が明瞭に確認された。
  • 竹爪 崇浩, 秋元 博路, 杉山 大輔, 飯田 恵一郎, 久保 昇三
    p. 000014
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    表面効果翼船(WISES)は、空中翼の性能が水面近くで改善される現象(表面効果)を利用した高速船である。
    筆者らは、波浪中での離着水により適した新コンセプトとして、推進器と水平安定翼を船首に配置する前翼型WISESを提案している。これは、船体後部を短くし、離着水時に高迎角姿勢をとることで、波浪中で効果の薄いPARに依存せずに高揚力を得る事を狙っている。
    機構的には単純な形式であるが、表面効果内での主翼、前翼と推進器後流の干渉を含むため、解析的な扱いは容易でない。そこで無線操縦可能な自航模型により、実際の走行状態を調べる事にした。
    本論文では、前翼型WISESの特徴、小型自航模型の概要および航走試験の結果を報告する。
  • 野澤 和男, 豊岡 大志, 竹岡 一樹
    p. 000015
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    閉鎖性内湾の開発を評価するために、モニタリングに裏付けられた海水流動や生態系の数値シミュレーションが益々重要となった。潮汐に基づく海水流動は内湾地形、水深分布、風、河川流入、水温、気温、日射強さなど多くのパラメータの影響を受けるがシステマティックなパラメータスタディは少ない。本論文では、マルチレベルモデルによる海水流動シミュレーションの応用性を確認するために、風、河川流入の影響の把握を主目的として、まず、想定した矩形湾の流れの計算と線形理論との比較、有明海を用いた流動計算と実験データとの比較を行う。他の応用として、海洋滋養の見地から海水流動が及ぼす栄養塩輸送や海底微粒土砂の漂流・堆積挙動について大阪湾を例にして考察する。
  • 千秋 貞仁, 櫻井 昭男
    p. 000016
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    船用積層材が圧縮荷重を受けた場合に全体座屈を生じないために必要な最小板厚を予測可能とすることを目的として、静圧縮荷重下の一方向繊維強化材の損傷モードが、板厚と繊維含有率の増大に伴い、全体座屈から部分座屈に遷移する現象について、同材の弾性座屈強度計算式と材料内部のミクロ損傷強度計算式を用いて考察した。それぞれの座屈モード予測計算式を指数関数で比例配分接続する手法を採用し、対象とする全板厚範囲内での圧縮強度予測を行った。計算による予測結果をマットとロービングの繰返し積層試験材の静圧縮強度試験結果と比較検証したところ、定性的な傾向の一致を得た。
  • 中村 康嗣, 有馬 正和, 細田 龍介
    p. 000018
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    乗り物酔いやヒューマン・エラーの発生メカニズムを解明し,船舶の乗り心地の向上や海上事故の防止に資するためには,その発生過程における人体の生理的・心理的な変化を量的に把握する必要がある. 本論文では,動揺暴露実験や練習船における航海訓練生の生理・心理計測実験を行い,大脳皮質の活動を反映すると考えられる脳波に着目して時間-周波数解析を行い,動揺環境における脳の活動の様子を推測した.
  • 坂原 岳人, 細田 龍介
    p. 000019
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    大阪湾などの閉鎖性海域では,人間活動の影響による富栄養化や水質汚濁が問題となっている。水質改善のためには水質汚濁メカニズムの解明が必要であり,そのためには信頼度の高いデータベースの構築が必要不可欠である.本論文では,大阪府水産試験場の浅海定線観測および大阪府による大阪湾水質測定の結果を用いて水質変動を表現する予測モデルを構築し,モデルによって水質項目間の相互影響や空間的な影響を調べた.
  • 福川 雅人, 有馬 正和, 細田 龍介
    p. 000020
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    生体信号にはフラクタル的なゆらぎがあることが知られている。心拍変動も同様なことが指摘されているため,これらのデータを解析するにはフラクタル的な非定常成分と周期成分を区別して解析する必要がある。本論文では,動揺刺激を受けた被験者の心電図データを用いて心拍ゆらぎの周波数解析を行った。周期成分からは自律神経系の調節活動について調べ,非定常成分からはフラクタルの次元および混入率などについて調べた。また,得られた結果を実験中に行われた被験者の愁訴による酔い発症の時間変化と参照し,乗り物酔い発症との関係を調べた。
  • 岡田 博雄, 桂 信二, 正岡 孝治, 坪郷 尚, 丸谷 潤一
    p. 000021
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    海中道路を想定した緊張係留式鋼製箱型没水構造体の波浪中弾性応答と強度を取り扱っている。構造体は弾性床上の平板にモデル化することにより挙動の支配方程式を導く。基礎的モデルに対する理論計算結果と実験結果との比較から、低周波数域では両者の対応がよいことを示す。最後に、1,000m級2重殻没水構造体を試設計し、それに対する波浪中弾性応答の数値例を示すとともに、構造各部パネルの座屈・圧壊強度の検討も行う。
  • 田中 寿夫, 下山 敬次, 戸田 保幸, 肥後 清彰, 山盛 直樹, 鈴木 敏夫
    p. 000022
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    キトサンはかにやえびに含まれる多糖類を脱アセチル化したもので,ヒドロゲル構造を有している.このヒドロゲル構造が摩擦抵抗に与える影響を調査し,低摩擦抵抗塗料開発につながれば省エネ効果に結びつくものと期待される.数種のキトサン誘導体について海水不溶性塗膜を開発し,その摩擦抵抗特性を回転式摩擦計と小型高速模型試験により詳細に検討した.その結果,同一相当砂粗度換算で数%の抵抗低減効果のある塗膜が得られたので、その結果を報告する.
  • 正岡 孝治
    p. 000023
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    複合荷重をうける板の座屈評価は、一般には複雑な数値解析を用いないと正確な値を求めることはできない。海洋構造物等の薄板構造物の設計時には板の座屈応力評価が必要となるが、通常はこのような複雑な数値解析を設計毎に行うことは一般的に不可能であった。そのために、座屈評価は数値解から得られた結果を元に簡易式を作成し、その簡易式を用いて設計時の座屈評価が現状では行われている。しかし、この簡易式は精度が悪い場合がある。本研究では、板の座屈解析に必要な数値解析をインターネットを通して遠隔的に行い、設計者がどこにいても即座に正確な座屈応力を知ることができるシステムを提案する。例えば、ウェブブラウザ上で本システムを使うことにより最小限のパラメータを入力することにより必要な座屈応力値を知ることができる。
  • 田原 裕介, 杉本 創, 村山 真也, 勝井 辰博, 姫野 洋司
    p. 000024
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,前報「汎用型最適化問題設定ツールの開発」で報告したOptimizerと汎用CAD,そしてCFDを結合させた統合型船型設計システムの開発を試みた.最適化の設計変数にはCADシステム上で定義された設計パラメータを直接使用し,また船体形状定義と形状変更もCADシステム上で行い,それらによって従来の船型自動最適化手法で指摘されてきた形状変更方法の非現実性に起因する問題点を解決した.本研究では,開発したOptimizer‐CAD‐CFD統合型システムの実行例として,コンテナ船の造波抵抗最小化を目的とした,船首バルブ形状の最適化をおこなった.得られた最適船型を過去の研究の結果と比較検討することに加え,システムの総合評価として,その実用性の観点からも検討もおこなった.
  • 清水 保弘, 内藤 林
    p. 000025
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    23rd International Towing Tank Conferenceの報告書中のThe Specialist Committee on Waves, APPENDIX A. SPECTRAL FORMULATIONSに掲載された内容について考察した。 このなかで10種類のスペクトルについて式と計算例として簡単なグラフを載せている。それぞれのスペクトルの表現式と入力パラメータから、スペクトルの比較をおこなった。 比較したスペクトルを以下に示す。1) Pierson-Moskowitz spectrum2) Two-parameter Pierson-Moskowitz spectrum3) ISSC spectrum4) ITTC spectrum5) Liu spectrum6) JONSWAP spectrum7) Scott spectrum8) Ochi-Hubble bi-modal spectrum9) TMA spectrum10) Mitsuyasu spectrum
  • 鈴木 博善, 上岡 貴志, 松村 清重
    p. 000026
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,比較的簡単な1次元の常微分方程式を対象に,中尾の方法を精度保証付き数値計算法として用いることで,格子数を一定に保った場合の格子生成のための方法を構成した.参考とした中尾の方法は,有限要素法を基礎とした精度保証付き数値計算法であるから,本来,誤差の大きいところで基底関数を高次にする方法,節点数を増やすなどの方法を適用する方が理論的にも実用的にも有利であると考えられるが,本研究では,差分系の解法を用いることを将来に見据え,あえて格子数を変更しない場合の格子生成を目標に置いた.
  • 勝井 辰博, 田原 裕介, 古水 就也, 姫野 洋司
    p. 000028
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    本論は,随伴変数法を用いてNavier-Stokes方程式の数値解に基づく2次元翼に働く揚力の感度解析を行った.随伴方程式の係数行列は,支配方程式の残差ベクトルの流場変数に対する変化率で与えられるが連続の式をそのまま用いる限り,随伴方程式の係数行列は対角成分に0が含まれ,数値解法上の困難を生じる.本論では,圧力修正量のポアソン方程式を連続の式の変わりに用いることで随伴方程式の係数行列の対角成分が優位となる手法を示した.これより安定かつ高速な求解が可能である.計算結果を有限差分法によるものと比較したところ,圧力勾配の大きな翼前縁付近の形状変化に対してやや感度係数を過小に評価する傾向があるものの,両者はよい一致を示した.今後は本手法の乱流場への適用,また形状最適化への応用を行っていく予定である.
  • ジャスワー ジャスワー, 池田 良穂
    p. 000029
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    In the present study, a methodology for feasibility study of a large conventional car ferry operating in long distance route is developed. In the method, firstly, shares of a large conventional car ferry as well as other transportation systems are determined based on a Benefit-Cost-Risk model. The model is built up with including factors of total fare, required time to travel, comfort, convenience, exhaustion, safety, and motion sickness.
  • 内藤 林, 奥山 悦郎, 箕浦 宗彦
    p. 000030
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    船舶や海洋構造物の波浪中試験では水槽壁面による反射波の影響により長時間正確な実験を行えない。この壁面での反射を避け計測時間を延ばすため、波浪中試験水槽は巨大化し、その実験は大掛かりで労力を要する。しかし水槽壁で波を吸収すれば、小型でも反射波の影響のない実験を行える。そこで全壁面が50機の分割型吸収造波機で囲われた、直径1.6m・深さ0.25mの小型円形波浪水槽を完成し、AMOEBA(Advanced Multiple Organized Experimental BAsin)と名づけた。長時間計測を行え、大型水槽で問題となる波待ちが無い、また小型水槽のため手間が軽減されるという特徴がある。今回この水槽で船体運動の計測を行い、大型水槽での結果と遜色ない結果が得られた。短時間で労力を掛けずに船体運動計測を行える事を示せた。
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