現在、一般の船舶の推進システムは1機または2機の主機関でプロペラを回転させて船の推進力を得ている。著者らはこれに代えて、小型ディーゼル機関で駆動される約800kwの発電機が組み込まれた、20フィートコンテナサイズのPackged Generator Unit(PGUと称す)を提唱してきた。新しいシステムは、このPGUを数多く搭載し、船の推進動力と同時に船内のサービス電力を同時に賄う。PGUは複数機備えるので冗長系を有し、船の推進システムとしては高信頼性を得る。一方、PGUの定期解放や故障時の保守はすべて陸上で行うことにより、船内では完全にメンテナンスフリーとなり、機関室の無人化を目指すことができる。本論文では上記のコンセプトを沿海クルーズ船に適用して設計検討した。