船体の縦曲げ強度を考える場合,通常は最大の曲げモーメントが生じる断面を対象として強度評価を実施する。すなわち,剪断力の影響は考慮されていない。一方,バルクキャリアが隔倉積みを行った場合のように,曲げーメントが最大となる断面の近傍で,大きな剪断力が発生する断面が存在することがある。この場合,剪断力の影響を考慮した縦曲げ最終強度解析が必要であると思われる。本論文では,まず剪断力によって断面に発生する剪断応力および反り応力を求める方法について説明する。この結果を用いて,スミス法による縦曲げ逐次崩壊解析を実施し,垂直剪断力が縦曲げ最終強度に及ぼす影響について考察する。