関西造船協会講演概要集
平成16年度秋季造船三学会連合大会(内関西造船協会)
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 福谷 光雄
    p. 1
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    1.椅子席室では眺望、離着席自在及び通路隔離といった事項に課題がある。
    2.例えば、椅子席室の前側に操舵室があったり、正面窓が装備できない場合、縦向き椅子席配置では、眺望はほとんど得られない。
    3.眺望を得たい場合は、先ず椅子席視界推定線を作製し、結果次第では横向き椅子席を考慮する必要がある。
    4.眺望には景色を眺めるという他に、心理的に安心感が得られるという効果あり。“空間定位”の理を船舶でも共有したい。
    5.なお、改善事例(中心線部通路+左右方向枝通路+二人掛け椅子席+集団離反式椅子席方式)を部分平面図に示す。
  • 矢尾 哲也, 今安 英一郎, 前野 嘉孝, 藤井 康成
    p. 2
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    船体の縦曲げ強度を考える場合,通常は最大の曲げモーメントが生じる断面を対象として強度評価を実施する。すなわち,剪断力の影響は考慮されていない。一方,バルクキャリアが隔倉積みを行った場合のように,曲げーメントが最大となる断面の近傍で,大きな剪断力が発生する断面が存在することがある。この場合,剪断力の影響を考慮した縦曲げ最終強度解析が必要であると思われる。本論文では,まず剪断力によって断面に発生する剪断応力および反り応力を求める方法について説明する。この結果を用いて,スミス法による縦曲げ逐次崩壊解析を実施し,垂直剪断力が縦曲げ最終強度に及ぼす影響について考察する。
  • 小林 英一, 越村 俊一, 久保 雅義
    p. 3
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    東海・東南海・南海地震の発生が懸念されているがこれに伴う津波により近域港湾では水位上昇と水平流れが同時に起こる。これにより湾内航行船舶は漂流し,バース接触や余裕水深が小さい浅水域では水位低下時の触底など予想外の挙動を示すことが考えられる。この津波来襲時の船舶漂流挙動については従来検討が行われておらず,その解析評価を行うことは津波による港湾災害の評価及び対策の検討のための重要な課題である。本研究では津波による船舶漂流現象の初期検討として,バース近傍にある大型タンカーが津波の来襲を受けた場合を例として漂流挙動シミュレーションを行い,今後の研究課題の方向性絞り込みに資する基礎的なデータを整備した。
  • 木原 一
    p. 4
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    2次元楔型剛体の水面衝撃問題を扱うもので,物体の水平方向の衝撃運動に関する前報に続き,垂直方向の衝撃運動にともなう波面との相互作用に関する境界要素解析を論じる報告である.水面衝撃時に物体が接触する流体領域には重力が無視できるくらいの大きい加速度の流れが生じ,ジェットと呼ばれる流れが形成される.前報で導入したジェット流の計算モデルを適用し,水面衝撃問題についてその有効性を検証している.また,キール部にあたる楔の頂点に存在する特異性はその近傍の圧力推定値に少なからぬ影響を与えることがわかった.この局所領域に解析解を導入し,その他の領域の数値解と接合させて全体の解を求める新しい計算法を提案している.
  • 劉 平健, 小林 英一
    p. 5
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    近年の化学産業の成長に伴い、有害な液体物質輸送量は増加している。そのような物質はその複雑な特徴のために、海上や大気中に漏洩すると、 環境に対して重大な影響を及ぼす。本論文は、上海の港湾内で四塩化炭素が荷揚げまたは荷降ろし中に漏洩した場合を想定し、周辺大気中環境に与える影響や危険度解析について述べたものである。平均の気温、風向、風速、拡散やリスクに関する各種係数を仮定し、数値解析とコンピュータシミュレーションにより、漏洩事故が周辺住民に与える発ガンリスクなど重大な健康影響について解析・評価を行った。そしてこのような手法が、漏洩後の住民の安全性確保に有効であることを示唆した。
  • SWATH型船型とポッド型船型の場合
    赤木 新介, 森下 美津恵, 中畠 章央
    p. 6
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    超高速船の船型として広く用いられるSWATH型船型を対象に、数理計画法による船型最適化計算を行った。計算に際し、全抵抗の最小化の条件と、最小化の際に現れる船型表面のくびれを抑制するための平滑化条件をトレードオフとして体系的に扱い、望ましい船型が容易に得られる方法を開発した。また、極小造波抵抗を与える船型は、没水体hullの中央が大きくくびれ、前後が球形にふくらんだ特異な形状になるが、このような船型は、最近ロッキード・マーティン社よりSLICE Hullの名称で提案されている4つのポッド体をもつ船型に限りなく近づくことになる。このようなSLICE船型についても抵抗計算を行い、SWATH船型と比較した。
  • 上田 武志, 岩崎 泰典, 箙 一之, 按田 正樹
    p. 7
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    本講演は、平成15年11月関西造船協会秋季講演会において発表した「中速船の推進性能を高める新型船首形状SEA-Arrowの開発について」の続報である。(論文集第241号に掲載) 前報で発表した新型船首船型 (SEA-Arrow船型) は、船首バルブの突出をなくした特徴的な船首形状を採用することにより、満載状態において船首波を減少させ推進性能を大幅に向上させることができる。本船型の推進性能を評価するために、LPG船において、同一要目のSEA-Arrow船型と従来型船型の就航中データを収集した。 本講演では、収集したデータを解析し、両船型の就航時の性能を比較した結果について紹介する。
  • 真田 有吾, 戸田 保幸, 鈴木 敏夫
    p. 8
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    本研究では屈折率測定と粒子画像流速測定法(PIV)とを組み合わせた、水理実験における新しい密度場と速度場の同時計測手法を開発した。屈折率測定は、計測対象密度場を撮影カメラとランダムパターンを投影した液晶ディスプレイの間に配置し、密度場の変化前後に密度場を経由してランダムパターンを撮影する。相関法により算出したパターンの前後変位量から屈折率の対数関数の一次微分値を測定し、得られた一次微分値から密度場を再構成することが可能である。この屈折率測定法とPIVを併用することにより従来の手法では困難であった重力流の密度場および速度場の同時計測を行い、有効性を確認できた。
  • 表情の特徴抽出による基本感情の評価
    池田 和外, 有馬 正和, 細田 龍介
    p. 9
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    船舶を初めとする乗り物の設計・製造・運用において,乗客の快適性の評価は極めて難しいことは良く知られている.そこで,快適性の評価として,人の表情に着目し,生理的・心理的反応の評価指標として表情を解析することが望まれる.既報において,人の顔構成要素(眼,口)の形状に対しフーリエ記述子を適用し,心理状態の関連性を示た.本論文においては,表情の特徴によって基本感情の評価を行った結果を報告する.
  • 船舶操縦性能を考慮した船位決定の基礎的シミュレーションと実船実験
    夏  海波, 塩谷 茂明, 小林 栄一, 若林 伸和
    p. 10
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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     大洋航海中の船舶のウエザールーチングに関する研究は各種天気図や波浪図等に基づく最短時間を目指す最適航路の選定である。しかし、沿岸域での小型船舶の場合、航海時間が短い、経済的効果が小さい等の理由から、重要視されていない。今後、燃料費高騰や内航船舶の運航改善策として注目されると思われる。本研究の最終目標は沿岸域の航行船舶のウエザールーチングの構築から安全性及び経済性評価を得ることである。特に、リアルタイムで逐次変化する気象・海象の数値予報に基づく最適航法を目指す。その基礎的研究として、船舶操縦性能を考慮した船位決定を小型実船実験結果との比較から評価する。本手法が今後の研究に有効であることが解った。
  • (その3 各種船型の損傷・折損時の運動と波漂流力)
    原 正一, 星野 邦弘, 湯川 和浩, 山川 賢次
    p. 11
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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     機関停止等で航行不能となった船舶を緊急曳航し、2次災害を防止するために最適曳航支援システムを開発し、種々の船型及び船体姿勢別の波漂流力、船体運動を比較した。試計算に用いた母型船は7種類で、船型(タンカーは2種類)についての船体姿勢は、満載状態でイーブンキールと上甲板が没水するトリム±3°の3種類を想定した。また、タンカーと貨物船について、イーブンキ_-_ル、トリム±3°、トリム±6°の5種類の船体姿勢の波漂流力、船体運動に対する影響を調査した。さらに、折損した船体の挙動について調査するために、タンカー(ダブルハル)について波漂流力の実験結果と計算値を比較した
  • 片山 徹, 木本 亮, 飯田 隆, 池田 良穂
    p. 12
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    船長船幅比(L/B)のみ異なる3種類の1m模型を用いて,速度域0.3<Fn<1.8で,斜航流体力に及ぼす航走姿勢の影響を調査した.まず,上下揺れ,縦揺れ,横揺れを自由にした斜航試験を行い,航走姿勢と抵抗,横力,回頭モーメントの計測を行った結果,特に横傾斜角が,斜航角,前進速度,L/Bに影響を受けて大きく変化すること,航走姿勢の変化は特に回頭モーメントに影響を与えることが明らかとなった.同実験で横揺れを直立状態に固定した斜航試験を行い,横傾斜角の回頭モーメントに及ぼす影響を調べたところ,斜航角が小さな場合は斜航流体力に及ぼす影響は小さく,斜航角の増加に伴い同影響が大きくなることが明らかとなった.
  • 前川 和義, 烏野 慶一, 芦田 祐介
    p. 13
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    著者らは低速運動時を含む主船体操縦流体力を表現する成分分離型数学モデルの開発を行い、これまで操縦性分野で一般的な船体前後力、横力および回頭モーメントの3自由度モデルを提案してその有用性を確かめて来た。しかし重心の高い船舶が高速で旋回する場合や大きな舵を有する漁船が急加速急転舵する際には船体の横傾斜を無視できない場合があることから、本研究では横傾斜モーメントの数学モデルの構築を行った。横傾斜モーメントは横力を構成する流体力成分を用いて記述しており、3自由度モデルから求められた流力特性係数によって横傾斜モーメントを推定することが可能である。
  • 河邊 寛, 前野 嘉孝, 大谷 肇, 藤井 康成, 矢尾 哲也
    p. 15
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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     本研究では、船体が耐え得る最大曲げモーメントを、スミスの方法を適用して計算する。同時に、種々の設計因子が縦曲げ最終強度に及ぼす影響を表す感度を計算する。 一方、船体に作用する最大の縦曲げモーメントに関しては、北大西洋海域を想定した最悪短期海象中での船体の運動および作用荷重を、大波高の影響を考慮した時系列解析を実施して求め、波浪曲げモーメントの統計的性質を算定する。 これらの解析で得られた結果に基づいて信頼性指標を計算し、縦曲げ最終強度の観点から見た船体構造の安全性評価を実施した。
  • 千秋 貞仁, 櫻井 昭男, 大沢 直樹
    p. 17
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/12/07
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    繰返し荷重が作用する船用複合材の弾性率を計算予測することを目的として、数式モデルを提案した。具体的には、任意回数の繰返し荷重が作用した時の応力-歪曲線を表現して、n回目の繰返し荷重が作用した時の弾性率を現す隣接2項の漸化式を導出した。必要定数を代入して求めた解を用いて定性的な数値予測を行った。数値予測の結果を試験結果と比較して、定性的な傾向を確認した。また、計算される弾性率を用いて静座屈強度の予測計算を行った。
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