フォーラム現代社会学
Online ISSN : 2423-9518
Print ISSN : 1347-4057
特集Ⅰ 社会学が捉える現代資本主義―新しい『経済と社会』の可能性―
第三の消費文化と現代資本主義
間々田 孝夫
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 11 巻 p. 90-99

詳細
抄録
現代の消費社会は、消費文化が自律性と発展の方向性を持っているという前提に立たないと理解できない複雑なものになっている。消費文化の動向を理解するため、筆者は「消費の三相理論」として三つの理念型を設定する。第一の消費文化は効率主義的合理主義と量的拡大を志向するもの、第二の消費文化は他者志向的消費と反合理的消費を特徴とするもの、第三の消費文化は文化的価値の追求と社会的配慮に基づく消費を原則とするものである。これら三つの消費文化は併存しているが、第三の消費文化は現在活性化しつつあり、今後も活性化し、現在の消費社会の状況の下で活性化が望ましいものと考えられる。第三の消費文化は、一定範囲で小規模企業の活性化をもたらすと考えられ、またそれに伴って、都市のあり方、仕事や就職、グローバル経済などにもその影響が及ぶものと思われる。
著者関連情報
© 2012 関西社会学会
前の記事 次の記事
feedback
Top