関東東山病害虫研究会報
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虫害の部
チャを加害するマダラカサハラハムシ (マダラアラゲサルハムシ) Demotina fasciculata Balyの繁殖生態
II. 成虫の産卵数および寿命におよぼす温度の影響
吉崎 真紀小澤 朗人
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2009 年 2009 巻 56 号 p. 115-117

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抄録

近年,静岡県下の茶園で被害が目立ち始めているマダラカサハラハムシDemotina fasciculataの産卵数と寿命におよぼす温度の影響を調査した。茶園から採集した本種の成虫を5段階の温度条件下で個体飼育し,産卵数および生存期間について調べた結果,25℃,20℃,15℃,30℃,35℃の順に産卵数が多く,25℃における平均産卵数は約350個/雌であった。成虫の生存期間は15℃,20℃,25℃,30℃,35℃の順に長く,25℃では94.3日,15℃では7ヶ月以上であった。本種は高い増殖能力を有するとともに,チャに被害を与える個体群は,秋に繁殖することが示唆された。

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© 2009 関東東山病害虫研究会
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