関東東山病害虫研究会報
Online ISSN : 1884-2879
Print ISSN : 1347-1899
ISSN-L : 1347-1899
病害の部
南西諸島近海に分布する紅藻ソゾノハナを用いたジャガイモそうか病の防除
仲川 晃生越智 直東 美佐夫中江 康仁福元 彰一原井 雄二亀井 勇統
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 2009 巻 56 号 p. 33-38

詳細
抄録

南西諸島での赤土ジャガイモ栽培で発生するそうか病に対し,農薬に頼らない防除技術を開発するため,当海域に分布する紅藻ソゾノハナのメタノール抽出液の効果について試験した。ソゾノハナのメタノール抽出液をバガス等の担持体に吸着させた資材を試作し,資材の鋤込みによるそうか病防除効果と抽出液への浸漬による種いも伝染防止効果について調べた。この結果,奄美農研の試験において、鋤込み資材調製時の抽出ソゾノハナ量を増やすことでジャガイモそうか病の発生が抑制され,特に抽出量を3.6t/10aとした時は対照薬剤に比肩する効果を示した。一方,中央農研での種いも消毒試験では,抽出濃度に応じた防除効果の高まりは認められなかったが,対照薬剤とほぼ同等の防除効果を示し,そうか病防除に有効であると考えられた。

著者関連情報
© 2009 関東東山病害虫研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top