抄録
キュウリ黄化えそ病の病原であるメロン黄化えそウイルス(MYSV)を媒介するミナミキイロアザミウマの薬剤抵抗性の発達が懸念されるため,2006年に神奈川県内の黄化えそ病発生地域から採集したミナミキイロアザミウマ成虫に対して,ソラマメ催芽種子浸漬法を用いて感受性検定を行った。その結果,合成ピレスロイド系薬剤,カーバメート系薬剤,ネオニコチノイド系薬剤,クロルフェナピル水和剤の感受性は著しく低下していたが,エマメクチン安息香酸塩乳剤とスピノサド水和剤は高い感受性を示した。しかし,2008年および2009年に同様の手法で検定したところ,スピノサド水和剤は感受性の低下が認められ,抵抗性個体群の出現が示唆された。