2010 年 2010 巻 57 号 p. 127-128
チャの重要害虫であるチャハマキHomona magnanima DiakonoffおよびチャノコカクモンハマキAdoxophyes honmai Yasudaに対するピリプロキシフェン剤の殺虫効果,蛹化・羽化への影響,羽化成虫の性比への影響を調査した。本剤を90.00ppm, 22.50ppm, 5.63ppmで処理したところ,チャハマキで処理31日後,チャノコカクモンハマキで処理28日後にはいずれの濃度でも死亡率は100%となり,高い殺虫活性を示した。両種ともに,90.00ppmでは蛹化率0%で,蛹化が阻害された。22.50ppm, 5.63ppmでは,両種で90.00ppmより蛹化率が上昇したが,羽化率は0%で,羽化が強く阻害された。また,1.41ppmではチャハマキで羽化成虫の雌比率が100%,0.35ppmではチャノコカクモンハマキで雌比率が25.0%となり,性比の偏りがみられた。