関東東山病害虫研究会報
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病害の部
コンニャクにおける種芋伝染性病原菌と生子の生育に及ぼす温湯浸漬処理の影響
柴田 聡
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2011 年 2011 巻 58 号 p. 25-30

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抄録
生産者が保有する選別済みのコンニャク種芋 (生子) において,種芋伝染による根腐病または根こぶ線虫病の発生を確認した。そこで,根腐病等の種芋伝染性病害の防除対策として,温湯浸漬処理の導入を検討した。根腐病菌は50℃・7分以上,乾腐病菌は53℃・40分以上,腐敗病菌は50℃・15分以上の温湯浸漬処理で失活した。一方,温湯浸漬処理によるコンニャク種芋 (生子) の障害として,萌芽阻害,初期生育の遅れおよび副芽の異常生育が確認された。コンニャクの生育に影響が少ない処理条件として,5月上旬の50℃・20,30,40分間温湯浸漬処理,53℃・10,20分間温湯浸漬処理を選択した。この条件は根腐病菌,腐敗病菌およびネコブセンチュウを失活させる条件とも合致し,温湯消毒法をコンニャク種芋 (生子) に応用できる可能性があると考えられた。
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© 2011 関東東山病害虫研究会
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