関東東山病害虫研究会報
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農薬の部
施設キュウリは種時における殺虫粒剤育苗培土混和処理によるタバココナジラミバイオタイプQおよびキュウリ退緑黄化病に対する防除効果
桑原 克也高橋 まさみ
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2012 年 2012 巻 59 号 p. 137-140

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抄録
施設キュウリのは種時に殺虫粒剤を育苗培土に予め混和する処理 (以下,育苗処理) について,生育初期におけるタバココナジラミバイオタイプQおよびキュウリ退緑黄化病に対する防除効果を検討した。ジノテフラン粒剤およびニテンピラム粒剤の育苗処理は,定植初期でのタバココナジラミ老齢幼虫に対して防除効果が認められた。また,コナジラミ成虫に対しては,定植8日後までは防除効果が認められた。しかし,その後は密度増加が確認され, 抑制効果は持続しなかった。一方,キュウリ退緑黄化病については,無処理区および定植時の植穴土壌混和では定植8日後に発病株の発生が確認されたのに対し,両薬剤の育苗処理では確認されなかった。育苗処理による殺虫粒剤の殺虫作用や吸汁抑制作用により, 育苗期に接種したタバココナジラミによるCCYVの媒介効率が低下し, ウイルスの感染が抑えられたためであると考えられた。以上のことから, ジノテフラン粒剤およびニテンピラム粒剤の育苗処理は, 生育初期におけるタバココナジラミバイオタイプQおよびキュウリ退緑黄化病に対する防除効果があると考えられた。
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© 2012 関東東山病害虫研究会
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